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海外と日本をつなぐ外国人材の活躍

株式会社ソルテック工業

業種(事業内容)

建設業

設立年月日

1985年2月13日

資本金

3,000万円

社員数

128人 ※うち、外国人63人

本社所在地

大阪市生野区

ホームページ

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ダイバーシティ推進に取組む背景や歴史

(右) 専務取締役 李明子さん
(中央)代表取締役社長 薛章彦さん     
(左) 業務管理部人事課主任 グェン ティ ダン ティーさん     

1985年に大阪市天王寺区で事業を開始しました。当時は工場や倉庫を持たず、トラック一台とガレージのみで、クライアントの現場に出向き、作業を行うところから開始し、今では大阪市生野区に本社を移転し、事務所・工場を全国8か所、海外3か所に設けています。主要事業は、現在に至るまで、発電所やごみ焼却施設、ガス製造所などの各種プラント設備製作から工事、メンテナンスなどを一貫して施工する事業です。社長自ら技術者として現場作業や営業を行い、社員や協力会社、クライアントと共に切磋琢磨し、会社を拡大してきました。

外国人材を採用し始めたのは、2003年です。順調に業績が伸びる中、人材不足が大きな課題でした。採用が難しく、採用しても定着しないという状況が続いていた時、同業者から、ベトナム人実習生がとても真面目だという話を聞き、すぐに視察や調査を行いました。そして、ベトナム現地に赴き、面接を経て、ベトナム人実習生4人の受入れを決定しました。実習生と共に働き、外国人材がとても優秀で真面目であることを感じ、それから多くのベトナム人実習生を受け入れるようになりました。
また、リーマンショックの影響から、2010年は売上が前年比より大きく減少見込みとなった際、国内のみの事業展開に危機感を抱きました。そのような状況の時に、大阪府と大阪商工会議所が派遣した「ベトナム・カンボジア経済ミッション」に参加し、ベトナムの経済成長を肌に感じ、また、同業種の企業進出が少ないことにビジネスチャンスであると思い、ベトナムへの進出を決定しました。ベトナム拠点を設立した2010年には、初めてベトナム人の留学生を2人採用し、それ以降多くの留学生を採用しています。
実習生と同様に、留学生もとても真面目で優秀な人材が多く、意欲的に働く姿は会社全体を活性化し、日本人社員の意欲向上にもつながり、とてもよい好循環を生み出しています。また、外国人社員が活躍している会社だという評判が広まり、優秀な外国人材が多く集まるようになりました。当初は技術職での採用が多かった外国人材ですが、現在は海外営業や施工管理等、様々なポジションで活躍する外国人材が増えています。また、入社後、本人の希望や適性を見て、配置換えも実施しています。今後も国籍問わず、優秀な人材を積極的に採用していく予定です。

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ダイバーシティ推進の具体的な取り組み内容

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【互いに尊重しあう風土づくり】

外国人社員は現在63人在籍しており、ベトナム人、韓国人、中国人、ミャンマー人と、多国籍な社員が活躍しています。
「外国人だから~」「ベトナム人だから~」等というフィルターをかけず、入社時から個々を尊重しながら受け入れを行っています。入社後1年間は、人事課が生活面のサポートを行うこともありますが、それ以降は、各部署の先輩・同僚が業務面も生活面もサポートしてくれています。また、コロナ禍で中断していますが、各国の料理を食べるワールドビュッフェや餅つき大会等、お互いの文化や習慣を知る機会を会社や社員が企画し、互いに尊重しあう風土づくりをしています。

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【日本語・ビジネスマナー研修を実施】

当社は日本企業・日本人とのビジネスを行っており、社内公用語は日本語であるため、日本語の取得は必要です。そのため、業務後に日本語教室を週2回無料で開催しています。主に日本語検定1級を取得していない技術職の社員がメインの受講対象となり、日本2拠点とベトナム拠点がオンラインで実施しています。参加は強制ではありませんが、受講対象社員のほとんどが受講し、日本語レベルの向上に意欲的です。ただ、やはり母国語同士のほうが理解しやすい場合や、休憩時間では母国語で話すことでリラックスしてもらうため、母国語での会話は禁止していません。
また、ビジネスマナー研修も実施しており、日本のビジネス習慣を身につける機会を提供しています。

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ダイバーシティ推進の取組における成功談

日本とベトナム拠点間の人材交流から生まれる好循環

2003年から10年間で20人以上のベトナム人実習生を受け入れ、実習期間終了後は、当社ベトナム拠点で8人を正社員として採用しました。現在も5人が在籍し、リーダークラスとして日本とベトナムの架け橋として活躍してくれています。
また、2010年に初めて採用したベトナム人留学生は、日本で非常に活躍してくれていましたが、家庭の都合で3年後にベトナムに帰国することとなった際は、当社ベトナム拠点で正社員として採用し、幹部候補生として活躍してくれました。その後、出身であるハノイに帰郷することになったのですが、当社はそれをチャンスととらえ、ハノイ拠点を開設し、その社員をハノイ拠点所長に抜擢しました。残念ながらすでに退職していますが、現在でも当社にとても協力的です。
当社では、日本勤務経験後にベトナムに帰国した実習生や留学生の活躍によって、本社の方針や技術等がベトナムでも、うまく伝わりやすくなり、ベトナムのお客様に高い技術力、品質管理体制と低コストをお届けすることができます。また、新たな事業展開にもつながっています。
現在も日本とベトナム拠点間の人材交流を積極的に行っており、両拠点で多国籍社員が刺激し合いながら、切磋琢磨して成果を生み出していく好循環となっています。

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ダイバーシティ推進の取組における経営上の成果

日本とベトナム拠点売上増加

当社の強みは、多くの人材交流の場を作ることによって国内工場とベトナム工場の関係が強固となり、スムーズな連携で、製造から現地施工・メンテナンスまで一貫したサービスを展開できることです。その強みを活かして売上を伸ばしており、2023年度の売上は、日本60億円、ベトナム2,000万ドル(およそ30億円)、2025年には日本・ベトナム共に最高売上の見込みで、日本70億円、ベトナム3,000万ドル(およそ45億円)となる予定です。
今後は、ベトナムを起点に、ASEAN各国に事業拡大していきたいと考えています。日本本社の方針と技術を理解している多国籍の従業員を各国に派遣することによって、全世界に当社が手掛けた仕事を浸透させることをめざしています。

 人事担当者の声

創造と挑戦、そして進化へ

実は、当社は「ダイバーシティ」という概念で、現在の状況になったわけではありません。折々に、なにが会社や社員に必要なのか、どうすれば成長できるのかを考えていった結果が今になります。国籍・人種等は関係なく、能力で人を見なければならない、また、能力のある人間には、能力を伸ばせるようなチャンスを与えなければならないと当社は考えています。将来、日本本社の社長がベトナム人になるということもあるかもしれません。
また、「創造と挑戦、そして進化へ」をテーマに、技術力とネットワークを更に進化させ、海外進出と新規事業への展開で事業領域を拡大発展していきます。「夢無限」、夢を持たない限りは、何も生まれない。あるからこそ実現できると考え、夢を創造する環境づくりに今後も努めていきます。

 従業員の声

入社5年目 グェン ティ ダン ティー さん

ベトナム出身、日本に留学後、2019年に入社し、業務管理部人事課に勤務、現在主任として活躍しています。

就職活動中、なかなか就職が決まらなかった時に、先生から「自分を理解してくれる企業が良い」「中小企業は成長させてくれる」「自分が主人公になれる企業を探しなさい」等とアドバイスを頂きました。そこで、面接を通して当社の魅力を感じ、自分を理解してくれると感じたこの会社に決めました。現在、留学生の採用や生活面でのサポート等を行っています。
当社は、外国人をとてもよく理解してくれる会社です。日本人と外国人が同じ業務に従事しており活躍しています。日本語能力を活かしながら、自ら考え行動し、それを会社がバックアップしてくれるという環境で、とても楽しい職場です。これからも会社発展のために力を尽くしていければと思っています。


※記載の内容はインタビュー時点のものです。【公開月:2023年12月】